【劇評】 BLUES Vol.6 『GROOVIN’!GROOVIN’!GROOVIN’!』

 

男子だけのコメディグループ「BLUES」による久々5年ぶりのピカデリー公演。

BLUESとは、おもケンを中心にした男子だけの演劇集団。

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最近ではふれあいホールや信濃ギャラリーを使って小劇場的な芝居やコントなどを行っている。

今回は、5年ぶりとなるピカデリーの大舞台。

 

まず驚くのは、舞台全体を覆う宇宙船の壁面だ。

さらに背後には一段高い通路も作り込まれて迫力ある舞台づくりだ。やはりコメディでもこれくらい作ってもらうとそれだけでうれしくなってしまう。

このセットにはいろいろとギミックがあって、壁がすっ飛んだり、怪物が顔を出したり、最後には波動砲まで飛び出て来る。

とにかく面白い仕掛けが満載だ。かなり苦労したと思うが効果は絶大だった。

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お話は、単純至極。

巨大宇宙探査船マリオアント号のとある部屋に隠れてサボっていた登場人物たちが、知らないうちに取り残され、そこにエイリアンが襲い掛かる。

エイリアンが船内に入り込んだことを知った他の船員たちは彼らを置いて逃げたと思われたのだが、実は彼らは武器(エイリアン)密輸の首謀者としてわざと船内に取り残されたのだった。

宇宙警察に取り囲まれた彼らだが、開き直り波動砲をぶっぱなして大宇宙の彼方へ逃走する。

「宇宙海賊」として。

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どこかで聞いたことのあるお話をいろいろくっつけて作ったようなばかばかしいストーリーに、いかにもと言う感じの定型キャラクターが縦横無尽にギャグ応酬する。

そもそも批評など相いれない感じのお芝居だが、いくつか気が付いたので書いてみたい。

 

それは一種の「おしい!」感。

いろいろとおしい!のだ。

ストーリーになにかを求める気はさらさらないのだが、この作者はいつも同じ主題にたどり着く。

「俺たち仲間だろ!」と「楽しく自由にやりたいんだ!」って言う落としどころ。

とくにこのセリフを大抵、レイが最後近くに放って、全員が「そうだよね~」とかなる結論。

でも最後の最後に裏切って・・このパターンはいつも同じように感じる。

よっぽど作者は、「友達がいない」「自由でない」のか?

ほとんど人気アニメのワンピース!だ。

なにか今につながる皮肉でも入っていれば唸るところだが、70年代みたいな「○○青春!」ってぶちかまされても困惑しかない。

 

満載のギャグもおしい!

いちいち繰り返されるギャグは最初のうちはバカ受けなのだが、次第に厭きてきて、またかよ!と萎えてくる。

それぞれの役者には、個性的な面白さはそれほど無いから中身とタイミングで勝負しているのだが、ちょっと狂うとメタメタ。

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また雑さが目立つ。

セットが素晴らしいと書いたが、実はあちこちに雑さが現れていて、壁の縁が塗り足りなかったり、壁の向こうが見切れていたり・・・

だいたいこの部屋は廃物置き場って設定なんだとしたら、どうしてそんなにキレイなんだろうか?

衣装なんかも凝ったつもりかもしれないが、雑!これなら全員雨合羽に農協ブーツでもいいじゃん!とか思っちゃう。

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また脚本も雑!

取ってつけた説明があちらこちらに出てきて、なんだかわからなくなる。結局波動砲は誰に向かって撃ったのか?だって囲まれてるんじゃないのか?

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とまあいろいろと言い出せばきりがないが、そんなことはどうでもいい!とばかりに突っ走る演劇馬鹿たちの躍動が見て取れる舞台だった。

 

(ピカデリーホール客席より)

 

【作品名】BLUES Vol.6 「GROOVIN'!GROOVIN'!GROOVIN'!」

【上演日】2016年10月8日・9日 ピカデリーホール

【作・演出】BLUES

【キャスト】おもケン、レイ、コウヘイ、ニコチン、トモ、タイガ

【上演時間】120分
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